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あきらめないで!あなたのそのシビレも治るかも?! 理学療法士による痺れの話
- 2017年07月04日
- ブログ
シビレの話
今回は「痛み」から少し離れて「シビレ」についてお話したいと思います。
この仕事をしていると、手や足がしびれるという訴えに非常に遭遇します。
でも、一口に「シビレ」と言ってもその症状は様々です。
1)灼熱感や痛みに近いような異常感覚を訴える人
2)正座の後の「ビリビリ」「ジンジン」という感じを訴える人
3)何かに触れている感覚が鈍くなっているという人等々・・・
今回はその中でも1)2)のような「異常感覚」について考えてみたいと思います。
では、シビレは何故起きるのでしょう?
ここでは
①神経の損傷または絞厄(締め付けられている)や圧迫
②血管の圧迫による循環障害
に大きく分類して説明していきます。
まず①の神経を考えていきます。
神経は刺激を脳に送る感覚系の神経と、脳からの指令を各器官へ送る運動系の神経に大まかに分けることが出来ます。
運動系の神経に問題が起きたときは、力が入らなくなったり、運動を滑らかに行うことができなかったり等の、何らかの麻痺症状を伴います。
感覚系の神経と運動系の神経は、末梢神経では同じ神経の束を形成します。脳や脊髄神経でも非常に近い所に存在します。
少し難しい説明になりましたが、要するに何が言いたいかというと、神経に問題が起きた場合に、感覚系の神経のみが異常を起こすことは非常に稀であるという事です。
シビレがあれば、そこに殆どの場合、運動神経の麻痺も存在しているはずなのです。
更には感覚神経に異常があれば、感覚(触っている感覚や、熱い、冷たい、痛みに対する感覚)の低下も起きます。
つまり、神経の問題で、シビレの感覚単体だけを引き起こすとはあまり考えられないのです。
では②の場合はどうでしょうか?
筋肉にはたくさんの血管や神経があります。
筋肉は持続的な緊張状態を強いられると、硬くなり「硬結」という状態になります。「硬結」は触ると痛みがあり、その部分では硬くなった筋繊維により血管が圧迫されて、循環が悪くなっている可能性があります。
血液の循環の低下は、あの正座と同じ状態であり、当然シビレを引き起こします。
また、硬結部分では筋繊維と血管や神経の潤滑が悪くなっており、その状態で筋肉が伸ばされると、血管や神経が硬結部分で引っかかったまま伸ばされるので、一部分だけが異常に引き伸ばされ、痛みやシビレとなって現れるのです。
また筋肉は働くことでポンプの役割を果たしているので、あまりに使われていないと、体の水分やリンパ液などがそこにとどまり、いわゆる「むくみ」を形成します。
このむくみによっても、血管は圧迫されたり、滑りが悪くなったりして、やはりシビレを引き起こすと考えられます。
「硬結」はリハビリテーションの徒手療法などで取り除くことが可能です。
今説明したことから考えると、「脊椎の変形」や「椎間板ヘルニア」で神経が圧迫されているから仕方がないとあきらめていた方のシビレの症状も、筋肉を調整することで、改善する可能性があるということなのです。
とは言え、すべてのシビレの原因が今述べたものにあてはまる訳ではありません。手術や別の治療が必要な危険なシビレも存在します。
画像診断も含めてこの機会に一度専門家へ相談してみてはいかがでしょうか?