お口の話 ~その③歯の痛みについて~

夜も眠れないほど歯がズキズキ痛んだことはありませんか?

 

歯の痛みといっても色々ありまして、その原因にはむし歯や知覚過敏、歯周病、親知らず、外傷などがあります。

今回は、むし歯による歯の痛みの特殊性について書いてみたいと思います。

 

歯は図のように外側をエナメル質や象牙質といった硬い組織で覆われており、その中に血管や神経を含む歯髄という組織があります。また、ほとんどの歯では、歯髄にある血管や神経は、歯根の先端でのみ外とつながっています。

 

むし歯が小さいときは、ほとんど痛みを感じることはありません。むし歯が徐々に進行して、エナメル質から象牙質に達するようになると、冷たいものや甘いものに対して少し痛みを感じるようになり、さらに深くなると痛みが持続するようになって、だんだんうずくような痛みに変わってきます。

この痛みを感じているところが歯髄で、むし歯菌の刺激で歯髄に炎症が起こっているのです。ですから、むし歯が深くなり歯髄に近づけば近づくほど炎症は激しくなり、痛みは強くなっていきます。

では、歯の痛みってどうしてこんなに強くなるのでしょう?

皮膚から菌が入って炎症を起こしたときは、赤く腫れあがって痛くなりますよね。しかし夜も眠れないほど痛むことはまずありません。歯の中にある歯髄も炎症を起こすと、赤く腫れたいところなのですが、周りを硬い歯質で囲まれているため腫れることができません。すると、歯髄の内圧が上昇して血液循環が悪くなり、内部に炎症による老廃物がたまっていき、それがさらに炎症を引き起こします。すなわち、むし歯が原因で歯髄に炎症が起こり始めると、悪循環になり、どんどん炎症が激しくなって痛みが強くなるのです。

 

むし歯は初期の段階ではわかりにくいものですが、いったん痛み始めると進行は早く、痛みも強くなり、治療に時間も費用もかかってしまうことになります。

たいした症状はなくても、定期的に歯科を受診されていない方は、一度歯科医院に行かれてみてはいかがでしょうか。

 

少しでもお口の中で気になるところがあるようでしたら、どのようなことでもかまいませんので、お気軽に当クリニック歯科(5F受付)にご相談ください。


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