お口の話④ ~口の病気 その1:粘液瘤(ねんえきりゅう)~

お口の中にできる病気は、むし歯や歯周病以外にもたくさんあります。

今回からは、その中でも比較的多くみられるものや重要な病気について、シリーズでお伝えしたいと思います。

まず第1回目は粘液瘤という病気です。

 

お口の中には唾液が分泌されていますが、その唾液を作っているのが唾液腺という組織です。大きなものでは、耳の下から頬っぺたにかけて広がる耳下腺や、下顎の骨の内側にある顎下腺などがあります。その他にもたくさんの小さな唾液腺が粘膜にはあります。

粘液瘤という病気は、唾液の排出路に起こる病気です。唾液腺は図のように粘膜の中にある腺組織で、そこで唾液が作られ、導管という排出路を通って口の中に出ていきますが、粘液瘤はその排出路に障害が起こって唾液が粘膜に貯留した状態です。

大部分の粘液瘤は、外傷により唾液腺の導管が傷つけられ、そこから唾液があふれ出てしまって起こります。ですから、外傷により傷つきやすく、また小唾液腺がたくさんある下唇の内面が最もできやすい場所です。

処置方法は、腫れを小さくするためだけであれば、膨らんだところに切れ目を入れて、たまった唾液を出すという方法がありますが、傷ついた導管が残っていれば、すぐに再発してきます。根本的に治すためには、粘液瘤と唾液腺を摘出する必要があります。

また、特殊なケースとして、舌下部に大型のものができた場合にはガマ腫と呼ばれています(下図の左側の写真)。

これ以外にも、お口の中にはさまざまな病気が発生しますので、少しでもお口の中で気になるところがあるようでしたら、どのようなことでもかまいませんので、お気軽に当クリニック歯科(5F受付)にご相談ください。

関連記事